理学療法士:「死」を宣告された方のリハビリ【story1-2:笑顔】

理学療法士

数日前まで普通の生活をしていて、いきなり「死」を告げられる。

自分でもどうしたらいいのかわからなくなると思います。

現実を受け止められず、「誰にも関わって欲しくない」「一人でいさせてくれ」と思うでしょう。

 

80歳90歳になっていればまた違う考えになるかもしれませんが…

 

私が観ているターミナル病棟の患者は、ほぼ寝たきりで、痛み緩和のために入院している方がほとんどであったため、マッサージや体位交換などを中心にリハビリに入っていました。

 

今回のように「まだ死を受け入れることが出来ていない」方の対応はしたことはありませんでした。

 

私のリハビリ職としての考えは、相手に信用してもらうのが一番大事なことだと思っています。

そのためにはコミュニケーションが必要です。

 

しかし、なんて話かけていいかわからなかったのです。

 

「どうせもうすぐ死ぬんだから」という言葉が、今までリハビリをしてきた誰よりも重くのしかかり、それに返す言葉が出てきませんでした。

 

一緒に担当していた先輩にも相談しました。

 

先輩はターミナル病棟の経験も豊富で、同じようなケースも見ているため、臆することはありませんでした。

 

いただいたアドバイスは

「できるだけ心を開いてもらうために、短い時間でもいいから出来るだけ会いに行く!」

「一緒に落ちたらダメで、こちらは笑顔で接する!」

という事でした。

 

<ターミナル病棟はリハビリが何回行っても、何分やっても料金は同じです。なくても同じです。ただ私の病院では医者の判断でリハビリをしている方が多くいました。>

 

リハビリは目標を決めなければ何も始まりません。

まずは本人に目標を決めてもらうことを私の目標に病室に通いました。

 

「あいさつだけの日」

「天気の話」

「テレビの話」

「政治の話」

など、まずは当たり障りない所から聞いていきました。

徐々に会話をしてくれるようになり、通い始めて2週間程度経った時です。

 

初めて「笑顔」をみることが出来ました。

 

 

story1-3に続きます。

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